2009年08月08日

詩集<レディナダ>

<<< レディナダ >>>    中尾彰秀第17詩集  竹林館 2000円+税

 何と美しい詩集。たくさんのハートの付いたケーキ皿に、小さな葉が乗っかってダンスする。
かくなる幻想的表紙写真は、著者自身の作。「レディナダ」とは、あらゆる存在の奥域にある
聖なるもの、あるいは、無条件の愛という意味のサンスクリット語。

   「遠き声」
<私は感謝する  配達自体が最大のニュースである 新聞配達のバイクの音 やたらソーメ
ンが恋しい 少しか細い雨の音 旧国道ひたすら南下する トラックのタイヤの音 まさかタイヤ
だけじゃないよね 週一食料品配達車の軽音楽 ようこそようこそ 人間の言葉などとうに卒業
した カラスのいななき 品の無さは人間への挑戦 世話すら出来ぬ我が家の犬の焼糞吠え
プードル二匹いてまする 過去の何事かを痛く思い出し唸る冷蔵庫 自ら冷えてじき冷静になる
得も知れぬ彼方よりやって来ては 我が身体を錐揉みに回転させる内耳音   聴くことは
共鳴ること 古代より 確かにそうなのだった あらゆる存在は 内部の襞に隠し持つ 宇宙創生
の響き------遠き声   私は深く感謝する あとしばらく遠き声なるものたち 仕事復帰は来週か
らだ>
   「ここに居り神に至るや初くしゃみ」--------<初くしゃみ>
   「うち二匹悟り動かぬ寒鯉よ」 「初犬は荒野をのしと振り向かず」--------<初犬は>
   「枯松の舞踏している暑さかな」-----------<夏深し>

 平成17年出版、A5版、128ページ、33篇。内なる大自然のパワー漲る。虚無感などぶっ飛ん
だ宇宙一体波動エネルギー、イコール愛。「-------咲く花の背後には 静けさの海拡がり 花の目
前 飛行する鳥は 永遠の森夢見ている THIS IS A ・・・ この世で私は私に巡り合った ・・
・ 」 (THIS IS A ・・・)

     < レディナダ >    中尾彰秀詩集

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Posted by nakao at 11:36Comments(0)芸術