2009年08月02日

あなたの人生を至福にする百の詩集(10)

<<<あなたの人生を至福にする百の詩集(10)>    詩評 中尾彰秀・詩人.ピアニスト

  「空と地上の間で」   左子真由美詩集 竹林館 2000円+税

    <蝶Ⅰ>
「何度も見失ったというのに くりかえし訪れてくるのは何故なのだろう  しめやかな夜 
開け放たれた窓辺を 白いまぼろしのように よぎる影  たましいの中に かすかな風を
起こして 暗い夜の底を したたかに飛ぶ蝶がいる。」
    <空と地上の間で>
「少女がブランコに乗っている 緑色の風を巻き起こして 空と地上に 何度でもかわいい挨拶
をしながら  夕暮れ 桜のはなびらが散りかかるなかで 少女はいつまでもブランコを漕いで
いた 静かに空は近ずいたり遠ざかったりした ラピスラズリの色に暮れてゆく空と たくさんの
傷跡のある黒い地上と ああ、少女よ 僕らは皆 その間にいて  ブランコのように揺れている
ギシギシと軋む音をたてている 桜のはなびらが ただ無心に地上に降りゆく中で。」

      出版平成14年、A5版、77ページ、29篇。抒情詩ですねとは、ホメ言葉か
     あるいは。抒情とは、美しき大自然への憧れを持ち、自らの内面に転写しよう
     とする意念である。それがゆえに、かつての抒情は、自らの内面は分析.分裂
     .自我の泥沼にありながら、単に憧れとして美しき心を持っているよに止まった。
     この詩集は違うのである。憧れからさらに進み、自らの内にシカと大自然を見出
     しており、その為の橋渡しをになう詩なのだ。美しき詩情が拡がりつつ。一読だ
     けで、心が若くさわやかになる詩集。

  


Posted by nakao at 17:25Comments(0)芸術

2009年08月02日

壁猫----俳句三昧----

<<< 壁猫-------俳句三昧------- >>>     詩人・ピアニスト 中尾彰秀
                              関西詩人協会会員、E.P.P.代表
                            「詩を朗読する詩人の会”風”」世話人代表
                         「きのくに詩話会」主宰、「EARTHPOEM賞」受賞
                              既刊詩集20冊、既刊ピアノCD11枚
初猫は天性持ちて仁王立つ
 
    平然とミイラ背負いて初猫は

          星銜え(くわえ)影で咀嚼す夏の猫

                行くと来る壁抜け猫の悠然さ

                      鶯の声真似ひらり壁猫や

                           経済の破綻にニャーゴ悟り猫

                      政局は月夜の猫に占われ

                猫バスは静かに来たる名月や

          壁仏描きたる猫は秋の暮れ
                                      皆さーん!
                                      俳句を作りましょう。
                                      元気な俳句を。
                                      気高い心の無敵の俳句を。
  


Posted by nakao at 12:02Comments(0)芸術