2010年06月25日

魂の一期一会

<魂の一期一会>   (続)

 意図された上皮の意味にとらわれず、ながながとくねくねと引かれていく
漆黒の線の柔和。包まれなさい。ふと一点の奥まり、遙かなところより声が
する。しからば、感謝しよう、今ここに在る自在の生命の輝きに。

    ピッカピカの真新しさに音弾け

    一切の腹立たしさ後悔恨み
    涙ぐましきことごと
    何もかもあっけらかんに
    好きになってしまうと
    世界が どっと
    私の内に入る
    言葉なんぞ
    すっぽり忘れたまえ
     
    宇宙の柱のごときものに
    すぐさま 貫かれ
    オーロラ溢れだす
     
    もの背後春は静かに座しており

    生まれるず-------------------------と
    以前から知っていた
    一点でありながら無数 宇宙大
    あらゆる存在の元よ
    
    やあ   柔らかい しっかりとした旋律
    ど こ か ら と も な く

    淡いピンク色二つ三つ
    動物か人か幾多の死骸踏みしめて
    近所の高層ビル横空地に
    シャキッと咲いた
    芙蓉の花よ

  中尾彰秀詩集「うちゅういち」(竹林館)より「芙蓉」
  この文は、詩誌「PO」132号、2009年春より引用
  


Posted by nakao at 21:56Comments(0)芸術