2014年07月08日

谷口謙詩集

<谷口謙詩集> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(98)

 「切畑から」 谷口謙詩集 土曜美術社 2005年 定価2000円+税 A5版 184頁 54篇

       死に際は語る
       その人間の生き方を

       生き様は語る
       その人間の死に方を

       どう生きようが
       どう死のうが
       その人の人生だから
       勝手だ死んだらそれまで
       もしそう思っていたら
       大きな誤りである

       生死はおろか
       次元を超えて
       我々は宇宙一体エネルギーに
       バランスされているから
       そのバランスという宇宙の不可思議を
       感謝の念で生きない限り
       十全に生きたとは言えない

       さて、人の死に際ばかりを
       詩にしている詩人がいる
       検死医なのだ
       検死の必要な死に方は
       あまり宇宙の不可思議を
       感謝で満たしていたとは
       思えないが
       生命の尊厳を尊ぶという意味での
       何と6冊目の検死詩集である

       「さざえ」

<八月二十一日 午後五時半頃 I市 五十八歳 男 250cc 中型バイクにまたがって出発 
 行先は宮津市栗田湾だ 心配するな わしはベテランや 明朝十時には帰るからな 二十二
 日帰らない 二十三日午前中も 思い余って警察に届ける M警察認知時間 二十三日午後
 四時十六分 舞鶴海上保安庁に連絡 若狭湾沿岸付近を捜索 やがて宮津市越浜海水浴場 
 駐車場の端 バイクと衣類一式発見 二十四日午前九時四分 海水浴場沖940メートル 深さ
 10メートル ボンベ背中に潜水服の男 死体を発見 引き上げたダイバー 四十三歳付近のI
 町在 M署に運び死体検案 ビニール袋にさざえ八十個 (匹?) 八キログラム ボンベの残 
 量は二五cc 溺死所見は皆無 死亡後二十時間位ではなかろうか 心臓血採取 後頭〇〇 
 難航 四回行って何れも血性 合議して脳内出血の疑いと決める・・・・・・・・・・・・・・
 密漁になります 取ったさざえは海に返します 帰路車中で聞いた話>



Posted by nakao at 17:36│Comments(0)
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