2009年08月24日

ベートーベン

<<< ベートーベン >>>   詩 中尾彰秀   詩人・ピアニスト

  あっ 来たで ベートーベン
  
  30年近く前
  まだマイピアノのない頃
  何軒もの集金先で
  ピアノを弾かせてもらっていた
  結構長髪で
  ベートーベンに見えたのだろう
  モーツアルトと言ってほしかったが
  演奏は今更言うまでもなく
  眼を閉じてでも弾けば名曲
  が、ある時以降
  人を選ばねばと反省した
  一曲奏じるやいなや
  その先生の眼が暗くなったのだ
  一介の保険の集金人が
  天才ピアニストとは何ぞや
  世の中必死に音楽を学んでいるのに
  心の声が痛く聴こえた  


Posted by nakao at 16:02Comments(0)芸術