2013年08月08日
泥に咲く花
<泥に咲く花> 記 中尾彰秀 詩人・ピアニスト・ヒーラー
世界を至福にする百の詩集(31)
「泥に咲く花」 清沢桂太郎詩集 竹林館 2013年 A5版28篇 130頁 定価2000円+税
詩以前の
直なる苦悩
それこそが詩
泥ではない
実験ではない
毎日が本番
それが人生
ちなみに
これ以上の詩は
ない
「私は過去の不遇に
感謝する」
書店に並んでいる
どこかの有名な詩たち
見るにつけ思うのは
あああ 言葉がシンデレラ
ひらめきで書かれるだけの
美しい詩は
実は死んでいるのである
地球と一緒に
生きてなんぼの詩である
「浜村海岸にて」
<はるか彼方 地図でしか知らない 凍てつく広大な大陸から 吹きつけてくる風が
強く冷たい
雲は天を覆い 空と海の境界に向かって落下する
その堺から湧き上がるように 蒼蒼とした波が 海岸に立つ私に向かって 押し寄せてくる
海岸に近ずいた波頭は 真白に激しく 海岸に砕け散る
私はその冬の日の日本海の前に 為す術もなくただ佇む
しかし カモメか 海鳥が 荒れ狂う海原の上を 低く寒風を引き裂いて飛翔し
魚めがけて一気に急降下し また飛び上がる
その生の強さに また一歩また一歩 自分の人生を歩もうと 決意する>
世界を至福にする百の詩集(31)
「泥に咲く花」 清沢桂太郎詩集 竹林館 2013年 A5版28篇 130頁 定価2000円+税
詩以前の
直なる苦悩
それこそが詩
泥ではない
実験ではない
毎日が本番
それが人生
ちなみに
これ以上の詩は
ない
「私は過去の不遇に
感謝する」
書店に並んでいる
どこかの有名な詩たち
見るにつけ思うのは
あああ 言葉がシンデレラ
ひらめきで書かれるだけの
美しい詩は
実は死んでいるのである
地球と一緒に
生きてなんぼの詩である
「浜村海岸にて」
<はるか彼方 地図でしか知らない 凍てつく広大な大陸から 吹きつけてくる風が
強く冷たい
雲は天を覆い 空と海の境界に向かって落下する
その堺から湧き上がるように 蒼蒼とした波が 海岸に立つ私に向かって 押し寄せてくる
海岸に近ずいた波頭は 真白に激しく 海岸に砕け散る
私はその冬の日の日本海の前に 為す術もなくただ佇む
しかし カモメか 海鳥が 荒れ狂う海原の上を 低く寒風を引き裂いて飛翔し
魚めがけて一気に急降下し また飛び上がる
その生の強さに また一歩また一歩 自分の人生を歩もうと 決意する>