2013年08月03日

有馬高支と新潟

<有馬高支と新潟> 記 中尾彰秀                  詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(30)

 「有馬高支と新潟の歌い手たち  詩とうたライブ」    岩室温泉伝統文化伝承館
                                   2012年6月2日
                     未踏社 CD編集;永井ますみ +小詩集  非売品

        出演 詩 有馬高支
            歌 小林直司 藤しんいちろう そうだみつのり 小越やすひろ たっつあん

        美しい声の響く歌は
        お経のごとく
        生きる場の苦を
        そのままの苦として表出することが
        一種の悦楽となり
        魂の浄化への
        第一歩となっている
        なおこの鎮魂詩
        やたらな憐れみちょうだいでなく
        まじに鎮魂を心掛けている
        最近
        魂の帰りどころは
        生まれたそれぞれの星であるという
        説が有力になってきた

        「星鎮めのうた」

<肩書きのついたひとの言葉に揺さぶられるな 目立ちたがり屋の歌や踊りに流されるな
 大津波がひっさらっていった海岸ぞいに 声のない死者たちが天空に舞いあがっていく

 新聞やテレビがなんども同じことを繰りかえす しかしハレーションを起こして歪んだ風景
 から 廃屋に独り残された老人のつぶやきや 帰ってこない家族の消息が聞こえてこない

 もはや 一年が経ってしまった 啓蟄を過ぎたばかりの土のなかからは 蟻も みみずも
 鮭も 蛇も 出てこない 得体の知れないボロや瓦礫だけが掘り出される

 うなだれた頭を左右にふって仰向くと 寒い夜空に震える光線を送ってくる小さな星たち
 下界の生きものに無言でまばたく 果てなく生き続けている魂の星たち>
  


Posted by nakao at 17:17Comments(0)芸術