2012年10月04日

透明人間

<透明人間> 詩 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 床板に森のざわめきが木霊し
 ざわめきがこだます
 こだまがざわめく
 この二十数年というもの
 毎日が命のお祝いとして
 ここにこの繰り返しが
 刻まれて来た
 すずやかに風は通り
 廊下の流れは意外と早く
 もう秋のものとなっている

 呪文唱え
 私は壁に張り付き
 静止する
 妻は気付かぬ振りして
 通過する
 間抜けと囁く森の妖精
 ハリーポッター流透明人間は
 失敗した  


Posted by nakao at 21:08Comments(0)芸術