2011年08月27日

机と洗濯バサミ

<机と洗濯バサミ> 詩 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 ごく稀であるが
 机の上面は
 人間をないがしろにして
 横柄な態度を取ることがある

 波立ったり
 45度に傾いたり
 異次元への大きな穴が開いたり
 飴のように柔らかくなったり
 端から端が霧に霞んで見えなくなったり

 それは存在の自由か
 大自然の不可思議か
 ついダリの絵を思い出し
 ほくそ笑むのだが
 窓から様子を窺い
 頷くように飛び去った
 カラスの一言に従って
 身近にある洗濯バサミ一つ
 机上に置いて見るが良い

 様々なもの挟む過酷を悦楽に
 得も言われぬ修行積む洗濯バサミは
 ついに
 太陽の片鱗と地平の端
 挟んで
 世界の均衡保つ
 何事もなかったかのように
 机は
   


Posted by nakao at 17:37Comments(0)芸術