2011年10月06日

不動潜水艦

<不動潜水艦> 記 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(30)

 「素朴なうた」  堀諭詩集 藻川館 2011年 1000円+税
                  ポケットサイズ 33篇 106ページ

      自らの暮らしの中で、ポエジーを探求すること。
      お固くなってはいかん、何やらのCMであったあれ、ノホホン。
      ノホホンこそ究極の詩。
      ノンという否定を
      ホホと笑い飛ばす
      それがノホホン。

      言葉の流れは、かのアメリカの大詩人ゲーリーシュナウザー
      さらにはアメリカのほんわかフォークソングをほうふつさせる。
      詩は、難しいことを書く必要がないのだ。この境地に至った
      ならこの境地を書いたら良い。むしろ、かくなる自然の流れを
      持つことこそ至難の技である。素朴であることは魂の修行で
      あり豊かさなのだ。ユーモラスな挿し絵が詩を引き立てる。

         「不動潜水艦」

<朝の出勤時間。ヴェリー速足足長女性が通っていかれます。ぼくはオデカケですか、
 と頷く。レレレのおじさんだね。感心して見送る。そんな時見てしまったのだ、初めて。
 川中で、何ということだ、これは、コレハ。鵜がいる。潜水艦の鵜だ。狙って潜る。ど、
 どこへ上がってくるかな?  何を捕らえてどこへ上がってくるかな?  どきどき胸ふ
 るわせていると、思ってもみなかった所へきた。 また潜った。見守っていてもなかなか
 こない。あきらめて家路についた。 ナント、離れた鉄橋上方のど真ん中にすまし顔して
 座っていらっしゃる! 目を瞑って不動の姿勢ときたもんですわ。時々目覚めては羽根を
 バタバタ。済んだらまた居眠りポーズでそっくり返って!

 傍らのカラスさん、あきれてカアーとも言わず、ギャーとも鳴かず。鵜様は不動ポーズの
 ままだ!>

       
      
       


Posted by nakao at 18:42Comments(0)芸術