2012年03月20日

脱獄たんぽぽ

<脱獄たんぽぽ> 記 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 まことにこの世界は
 物質と感情に留まるものではない
 今ここにこうしており
 生きていることにすら
 実に多くの目に見えぬ事が
 関わっている

 古人はそれをこう言う
 生かされている-----------神秘的な力によって
 お陰様で--------------------人間や諸関係によって

 そこに存在の真実があるのだ
 その見えぬことを一切無視し
 自己中心の感情と
 身近な知り合い関係だけで
 書きあげられた小説

 「脱獄たんぽぽ」 吉田薫著 竹林館 2012年 
          1000円+税 B6版 256ページ

 この小説の目的は
 投獄されたものの
 終戦時のすさんだ社会の中に生きた
 ごく普通の一人の青年の
 生き様を描くことにある。
 監獄内の暮らしはリアルに
 良く描写されている。
 これも時代の反映の一つだ。
 これも時代への批評の一つだ。
 物質と感情に支配された人間。

 私の願いは
 誰しもが持っている
 社会も歴史も超えた
 内なる神聖な魂に
 どうか気付いて欲しい
 ということだ。  


Posted by nakao at 17:19Comments(0)芸術