2012年06月18日

何のせい

<何のせい> 詩 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

 天下茶屋で実にたくさんの人が
 電車を乗り換える
 人生の節目のごとく
 存在の狭間の薄暗い冷たい
 風の出所みたいなところを
 自ら瞬間移動してから
 お帰りなさいとばかり
 首をポキッと鳴らし
 何か忘れ物がないか振り返って
 そそくさと次の席に着くやいなや
 安堵の顔して

 乗客15人が15人とも
 携帯をいじっている

 その時天下茶屋の駅札が
 これ見よがしに
 私の眼前だったせいでなく
 二つ隣のど派手な女性の香水が
 プンプン臭ったせいでなく
 カミュの「異邦人」じゃあるまいし
 何事も何かのせいで
 偶然起こるわけではない

 日本全国集団無知
 
 一句  えらいことおこりてきずくにほんじん

 原発の次は
 電磁波だ
   


Posted by nakao at 17:33Comments(0)芸術