2013年08月10日

たてがみ

<たてがみ> 詩 中尾彰秀                詩人・ピアニスト・ヒーラー

 背後から射るように
 眺めている
 ガラス越しに
 歩道橋の真下
 キッチリ並んだ
 30台の自転車よ
 昼の灼熱の中ノホホンと
 飯屋のクーラーに当っていると
 森羅万象の本質は
 手に取るように解る

 泣こうが笑おうが
 我々は前に進む
 使命よりも摂理

 前には今は亡き
 長髪とサングラス
 反骨の友の面影が
 鈍色に光り
 後悔の片鱗もない
 肉体の使命終えた
 今になって
 人生のあらゆることを受け入れる
 感謝がある
 あるとないの狭間たゆたう
 自在の波動
 に包まれて

 サドルの背後
 どんな空気にも
 溶け込み進むたてがみが
 音なき音を立てている  


Posted by nakao at 16:51Comments(0)芸術