2009年08月25日

落差

<<< 落差 >>>    記 中尾彰秀    詩人・ピアニスト

 50年経て、どれだけ落ちたか。水力発電は、数秒で落下する水の力で発電と言う役割を担う。
落差の中間辺りで、美しい虹が出るのはオマケ。人間の美貌は50年でいかに。かつての美男
子美女を、全国からの応募で集め、現在との落差を披露するテレビ番組がある。人間の見てくれ
の変化に仰天すると同時に、どんな発電をしたのか、それぞれの年齢に応じて良さがあるという
人生のお勉強にもなり、視聴率は結構高い様だ。
 つい先日、写真アルバムを整理していると、20数年前のものがズラリ出てきた。中でも、目を引
いたのが、新婚旅行の健全な写真。伊豆温泉で滝に打たれながら、舞踏する若かりし雄姿。温泉
だからもちろん衣服は、まとっていない。このシリーズは「気踏」として、写真展をしたことがある。モ
デルは私、撮影者は妻。驚くべきことに、今とほとんど、美貌もムキムキマン体型も変わっていない
のだ。あまり発電しなかったのかもしれない。かつて、高校の国語の先生に言われた。「お前、年取
っても変わらんタイプやから得やな。」裏を返せば、もともと良くもないから落ちようがない、か。何れ
にせよ先験の名にひれ伏すばかりである。  


Posted by nakao at 15:35Comments(0)芸術