2011年10月24日

詩人竹野政哉

<詩人 竹野政哉> 記 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 雑感アンソロ (7)    「アンソロジー風Ⅹ 2011」  竹林館 定価2500円

      この詩篇に込められた真実。
      山の頂に立つとは、何と人間中心の
      幼稚な征服欲であることか。
      恥じるべし!!
      わたしとは 日々 あなたへ 還ること
      地球へ帰ること
      かつて、山男には惚れるなよ
      てな歌があったが
      現代は、詩人に惚れよ、である。

           「登る」       竹野政哉

<生まれた子らの声を背に 登る

 長くゆるい統計グラフのけだるさ

 急傾斜の怒鳴り声 躒に捕われ 虫たちに騒ぎ立てられ 幹を折り 花に見とれ
 けつまずきながら ゆく

 あいさつは交わす 視線あわさず コーヒーを飲む 配分考えず 空を仰ぐ ほととぎす
 も見えず

 追い越されるばかり 追い越すことはない あせって また けつまずく 
 ひざが震える みずから 選ぶしかない 進路を ゆく

 木々が低まる 視野が広がる 蝉の声が 澄む

 陽はたしかに傾きはじめる 

 星星を飛ぶ鷲を背に くだる

 いまだ頂に立ったことがない

 それでいい
 わたし とは
 日々 あなたへ帰ることだ>


  


Posted by nakao at 17:47Comments(0)芸術