2010年09月28日

骨拾い~弔いと祈り~

<骨拾い~弔いと祈り~>   記 中尾彰秀   詩人・ピアニスト・ヒーラー

 あなたの人生を至福にする百の詩集(74)

 「骨拾い~弔いと祈り~」 もりたひらく詩集 A5版 定価1000円 私家版
                            2010年出版 88頁 31篇

          「 弔いと祈り 」

<九段下の駅で降りて 靖国神社に詣でた ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 忠夫お祖父ちゃん、海軍はどんなところでしたか 玉砕だの 特攻だの 
 旧日本軍は、あまりにも兵士の命を粗末にし過ぎたと 聞いています
 ・・・・・・・・・・・ 本当に、昭和20年4月24日に亡くなったのですか?

 ・・・・・・・・・・・ 遺骨も遺品も戻らずじまいだったから 祖母は諦めきれなか
 ったようです 「いつか帰ってくるかもしれへん 小野田さんのように どこかで
 生き延びているかもしれへん」 ・・・・・・・・・・・・・

 忠夫お祖父ちゃん、 あなたの娘---私の母は 今年還暦を迎えました 私は
 出征したときのあなたの年齢を超えてしまいました あなたのひ孫にあたる私
 の娘は、元気に育っていますよ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 都市空襲の犠牲者は60数万人 広島、長崎への原爆投下では30万人
 それらは一般市民への大虐殺に他ならないのに 戦勝国アメリカの罪は不問
 のままです

 日本には、中国のような 千年も昔に失政を犯した人物の像に 民衆が唾を吐き
 かけるという風習もありません 「日本はもう戦争なんてしないんでしょ?私、日本
 に生まれてきてよかった」と 今はまだ無邪気に話す娘 世界はいまだ力の論理
 でしか動いていません どうか この子達の世代を 日本の行く末を 御護りくださ
 い

 ・・・・・・・・・・・ >

         「 ただ、そこに咲く花 」

<薄黄色の花びらの縁を 薄紫で彩って 雨の中 ひっそりと 佇んでいる紫陽花
 
 梅雨という湿った季節を 憂うわけでもなく ただ 静かに 移ろいゆく時の流れに
 そのいのちを委ねている

 あからさまに 鮮やかな色合いを誇るわけでもなく ただ そこに咲いている

 ほら 耳を澄ませば雨音の隙間から 静かな唄声が 聞こえてくるよ>

       対話である詩。よくよく考えてみると
       いかなる詩も対話なのだ。

       自分と自分---------内省
       自分と大自然---------内なる魂
       自分と第三者---------批評

       ここでは、批評。思いやりが詩を書かせた。
       そして、内なる魂が芽生える。
         


Posted by nakao at 21:51Comments(0)芸術