2012年04月11日

ある光景

<ある光景> 詩 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 石庭--------ここに宇宙ありさりげなく主張する庭は
       一匹の蚊すら直進する
 塔楼---------何かを祭るでなし歴然と地に立つ
        立て立つのだと人を急き立てるがごとく
 丸池----------ここに潜む怪魚は月を食す
        2.3片桜花振り掛けながら
 桜-------------あるがままで美しいのか時に笑う200年の大樹
        人間の歴史を見透しつつ
 車------------もう数時間放置された軽四トラックに
        山と積まれた砂は黄色い
 犬------------ここにあるをいよ深める為
        風もないのに一瞬振り向く犬よ
 猫------------第三の眼光らせ猫はここにあるのではない
        ここを通過するのだ
 砂利道----------今朝の味噌汁ではないが妙に濃密な静けさ
          音無しにここにやってきたあの人は人ならず
          ああ人ならず  


Posted by nakao at 11:53Comments(0)芸術