2013年12月06日

天使の囁き

<天使の囁き> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 果たせるかな
 今日の生温い風は
 頭上を忘れさせる
 国土での空襲体験者ですら
 頭上を全く忘れ
 少しラリって笑顔のまま
 来店している
 むしろ
 ここに引かれるがごとく
 横に向かう万有引力なのか
 単に五つ角の魔力なのか
 元暴走族みたいな
 お店の兄ちゃんの笑顔力か
 近くに飯屋がないだけのことと
 言えばそれまで

 高圧線真下のとある飯屋では
 昼食時
 ゆったりとしたクラシックが
 天井にフクロウのごとく
 ちょこんと乗ったスピーカーから
 天使の囁き-------どこかに行きましょう
 天使の踊り-------ほら細胞の内襞に
 天使の羽音-------光のシャワー懐かしく

 奏じている彼か彼女自身が
 作った曲でないモジリだが
 そこは辛抱するとして
 どうせなら
 こんな風情が良い

 中尾彰秀は
 モジリはだめよ
 世界唯一の天降り即興奏をと
 随分各地で
 吹聴しているが
 麗しくも光直下する
 この昼食時
 天使もジャスダックも
 文句は言わない

 そう言えば
 百数十万円也の
 母の葬式では
 葬儀屋企画部が大活躍
 今流行のヒーリングピアノ曲流れ
 歌舞伎役者さながらの若い住職さん
 天に木霊す美声の読経
 きっと母はニンマリしながら
 天界へ
 
   


Posted by nakao at 17:48Comments(0)piano