2010年10月16日

天使の残存

(天使の残存)  記 中尾彰秀    詩人・ピアニスト・ヒーラー

 あなたの人生を至福にする百の詩集(75)

 「梅園」  門林岩雄詩集 土曜美術社 A5版 117頁 94篇
                 2010年出版 2000円+税

     「 路傍 」

<ふまれても ふまれてもタンポポ 上を向く>

     「 石段 」

<嘆く石 苦りきる石 笑う石 それぞれの面 寺の段>

     「 いのち 」

<店先に積まれた土嚢 その破れから 草がすっくと立っている>

     「 病室の朝 」

<風がおいていったのは さわやかな山の冷気>

     「 冬の夕映え 」

<おさなごよ おまえのかいた 妖精が いたるところに とびちって
 おどっているよ ほらごらん>

     しいたぎられた心に、やってくる天使。
     しいたぎられた心、そのものの質を転換して
     感謝で満たされてから、
     自ら天使となるのが詩であり音楽だ。
     命に命懸けである勇気。
     見よ!発見せよ!
     今朝蹴躓いた道端の小石、その輝きを。

      
        


Posted by nakao at 14:49Comments(0)芸術