2012年04月06日

ああ対馬丸よ

<ああ対馬丸よ> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(52)

 「雲 流れて」  井上庚詩集  絵 井上康治 井上由津理 由歩樹
                    浮遊社 2012年 2000円+税

      徹底してリアリズム感情の詩は、明確に愛と平和を
      誰の心にも訴えかける。骨太で純朴な木版画他の絵
      がさらに生々しく、生きることの際立った輝きを愛らしさ
      を描く。主たる舞台は戦時中。そして我々に、考えさせ
      るのだ。現代これからいかに、国に騙されず正しい情報
      を入手して平和に生きていくべきかを。

      あなたは安心しているのですか、原発にリニア新幹線に。
      そして世界一野放しの電磁波公害に。

            「ああ 対馬丸よ」

<六十六年前になります 1944年8月22日22時23分 対馬丸は撃沈されました
 悪石島沖あいで アメリカ潜水艦ボーフィン号の魚雷攻撃で 1425名の命が絶
 たれました 沖縄港からの疎開児童七百数十名の子ども達 幼ない命が海底に
 散りました

 対馬丸記念館はひっそりとしていた あまりにも少ない遺品 鉛筆もノートも教科
 書も 命とともに海底に沈んだ 色あせたランドセルが一つ この子はもっと勉強
 したかったのだ 夢や希望 これは生きている者の言葉です 

 沖縄の海底を掘ってごらんなさい 幼ない子ども達の夢 願い 未来が 砂の中に
 蠢いているのです すべてをもぎ取っていったもの これが戦争なのです

 会館横の糸非寒桜が満開です 濃いボタン色の桜が寄りそって咲いています
 この花を見られなかった子ども達のことを 忘れてはいけないのです>  


Posted by nakao at 22:30Comments(0)芸術