2012年03月09日

ぽとり25号

<「ぽとり」25号> 記 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

 まことに
 何の当てにもお勉強にも
 ならないのが
 先立詩人有名詩人
 けなしているのではない
 けなしの対象にもならない
 普遍の畑にも至らぬ
 違う畑の言葉を
 偉い詩人だからと言って
 参考にはならないということ

 批評精神を
 きちっと持って
 読書なるものをする有名詩人たる
 武西良和氏は立派である
 生きることへの
 真摯な問い掛けを
 こんこんと持続しているのだ
 「ぽとり」25号 
 武西良和個人詩誌

     「鼓膜」

<買い物に行ったが 買いたい ものはなく 外に出た

 ぼんやり歩いていると トンネルに入った

 誰にも会わず 何も通らない

 大きな声で叫ぶと声は内部に 円形 に反響した

 トンネルは一気に 鼓膜になった

 誰の鼓膜だ

 聞くものが そこでは見えない

 声は外へ 抜けていって 明るい光が 吸い取ってしまった

 光が声を養分にしている>  


Posted by nakao at 16:29Comments(0)芸術