2011年03月21日

密約のせかい

<密約のせかい> 記 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(5)

 「時の系譜」 永井章子詩集 思潮社 2400円+税 2008年 
                         102ページ 23篇 A5版

          「出立しなければならない」

<目の位置から 駆け上がっていくものがある 見えないけれど おおきなものが
 とても おおきなものが 天啓のように 満ちてきて 私の住まいする こんな硬質な町
 にも やわらかい風が吹き 陽光がきらめいて かがやいていた女の 新たな出立を
 此岸からの出立を 愛 のように包み

 失われることで いのちはもっとかがやいて かがやきながら 誰もとどかない 高みへと
 駆け上がっていく 

 出立しなければならない

 非在 のやさしさは 溢れ出し 無限のいのちになって つながっていく 
 この密約のせかいに もう 私も 私達も そして あなたも 出立しなければならない>

         密約の世界とは何か?
         物的次元のものは何もなくとも
         あらゆる可能性持つ
         生命エネルギー、波動

         この世界の本質としてある
         宇宙一体、無限への目覚め

         非在 不在 故郷消失 絶対孤独
         若者の合言葉のごとくある心情は
         その優しさの本体を
         とらえて見れば。
         どこにもあって、どこにもない
         色即是空空即是色

         気付いてみようよ
         だれしもが持つ
         この天啓に。



  


Posted by nakao at 17:00Comments(0)芸術