2009年09月13日

チューリップ

<<< チューリップ >>>    中尾彰秀第12詩集「やあ」
                      新風舎、定価1400円+税

 花の波動エネルギーは偏在する。散るから悲しいは、自己中心の次元。
例え散ろうとも、人間の賭けごと、強欲、むやみな自然破壊に拘わらず。む
しろ、それを浄化する力を持つ。植物は誰が氏の誰べえと、固有氏名を持た
ぬが、にこやかに、世界・宇宙を抱いている。かつて、ガウディは植物が設計
図であると言ったが、まさしく。
 表紙絵は、和歌山の誇り、世界的画家 中尾安希氏の片男波から紀三井
寺・名草山を眺めたもの。

      「チューリップ」
<君の最大の悲劇は パチンコ台にされたこと かつて私は 秘密の日記に
そう書いたが 牛乳瓶の海の中 テーブルの上に サラリと立ちながら 本当
に この 三週間というもの お前は 空気にせよ 人間たちの喜怒哀楽にせ
よ 開いて受けるためにのみ 時を重ねたのだろうか ならば 直下降する
銀玉の 光のみ受けよ 様ざまの労苦や暴言失言不祥事 足元の海へと捨て
去り 銀玉の 光のみ受けることで 宇宙の光の恩恵 存分に知ったあたり
ついに どんなものにも通じる やさしさの中核 チューリップと言う 花の宿の
ようなもの 終えるやいなや まっさかさまに落下して もっと美しい もっとも美
しい 何物でもない 何か になるのだ その瞬間の永遠 しかと 見届けてや
ろう>

  中尾彰秀詩集 「やあ」  詩30編、B5版、112頁、1998年出版、残部少。

(購入法) 郵便振替 森羅通信の会 00940-4-29604 定価1400円
                                    +送料200円

  


Posted by nakao at 17:27Comments(0)芸術