2014年01月13日

北口汀子句集

<北口汀子句集> 記 中尾彰秀                詩人・ピアニスト・ヒーラー
 

 世界を至福にする百の詩集(56)

 「漆黒のほとり」 北口汀子句集 枝秀堂 2014年 定価1800円+税

       一冊の句集で、10句もの作に、感嘆させられるのは
       異例である。得てして句と言えども、詩と同じく、心の
       説明に終始してしまうのだ。大切なのは説明ではない。
       創造的感慨なのだ。天地--------宇宙 一体、の体現。
       詩にも句にも音楽にも。

            ひとつずつ 金言の如 梅発く
            
            黄梅の 点りて空の 拓けゆく

            蓮池や あまたの蕾 合掌す

            透き通る 風の音色や 額の花

            青梅を きりりと齧る 空の端

            向日葵の あっけらかんと 人を呑む

            天に満つ 大音声や 大銀杏

            さよならが ひらりひらりと うすもみち゛

   


Posted by nakao at 18:22Comments(0)芸術