2013年03月08日

近藤摩耶詩篇

<近藤摩耶詩篇> 記 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(4)

 「銀河詩手帖」257号 2013年2月 定価800円より

      「遠日」   詩 近藤摩耶

<今日というのは眠りの続き

 色ちがいの寄せ植
 えから  次々と花
 ひらいた  夏のぺ
 チュニアは  ただ
 二つが  寒風に耐
 え  化石しながら
 立ち  生きながら
 乾き  十二月の普
 通ごみの日  せめ
 て大安  ぺチュニ
 アを   ほうむって
 も眠りは 覚めない
 
 夜行列車が遠ざかって行く

 もしも  目覚める
 ことがあれば  そ
 こに  落日前の暗
 い明かりが  広が
 っている  だろうか

 わたしからはなれて行った
 夜行列車をどこか
            で待って
 迎える人がいるな
 ら  遠いいつの日>

     曖昧さは不勉強のせいではない
     世界を掘り下げて至る曖昧さ。
     曖昧な日常に
     曖昧に存在する
     人も人の想念も
     夢のごとく。

     植物は
     明確な生命という
     曖昧な永遠
     もしも植物との
     共感があれば
     魂に響き響き入る
     森羅万象の静けさという
     共同体験がやってくる
     その連続は波動

     とある眠い日は
     理知が緩んで
     生死は境界を外し
     世界は恍惚として
     美しく輝く
     宇宙の深層・真相
     生命の環は
     永遠に繋がっている。

  


Posted by nakao at 16:49Comments(0)芸術