2012年02月22日

狭間のスイッチ

<狭間のスイッチ> 詩 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

 入るからには
 何らかの出口が

 時計屋さんが言うには
 出口は絶対にない
 一度入った水は
 永遠に入ったまま
 美しいチリジリの水滴の文様は
 見事な抽象画を描く

 カメラの乾燥庫に入れてもダメ
 ついにあきらめて
 分解乾燥九百円なり

 人生の入口と出口
 生まれたからには
 いつか訪れる死
 それが世界の自然の摂理なのに
 腕時計の水は
 入っても出ないなんて
 人間の作った時を刻む行為
 意味無意味不自然

 そう言えば
 人間の持つ不思議
 狭間のスイッチ
 内宇宙は究極外宇宙と一体
 それに気付くスイッチ
 ハートの奥に隠し持つこと

   


Posted by nakao at 21:29Comments(0)芸術