2010年09月16日

にじのはし

<にじのはし>  記 中尾彰秀     詩人・ピアニスト・ヒーラー

  あなたの人生を至福にする百の詩集(72)

  「にじのはし」 北山りら詩集 竹林館 ポエムポシェット24 定価800円+税
                          出版2009年 40篇

         「 夜桜 」

 <くらやみも ゆめをみる そっとひらく はなのゆめをみる

  ちりゆくはなも ゆめをみる くらやみに まいちるゆめをみる

  やみにだかれて はなびらは よみがえる ひとつぶの ひかりに>

         「 にじのはし 」

 <鈍色の雨雲に 穴がある ほんのり 明るくなる地上

  生まれて すぐに息絶えて 影がほしいとさまよう 子どもに
  あわい光が 手をつなぐ 

  影のない子が 光の道にすくわれて のにやかにわたる にじのはし

  はぐくまれていた つかのまの記憶 しずかな安らぎに よみがえる

  空と地上をつなぐ なないろは おかあさんとつながっていた 命の帯>

         驚くべきイマジネイション。この短詩のリズム。
         この地上の物を思うやさしさ。弱きものへの思いやり。
         弾む音楽のごとき言葉。
         
         詩とは、やはり、贈りものなのであろう。心の奥から
         やって来る遙かな柔らかさ、と言う。

           


Posted by nakao at 18:37Comments(0)芸術