2013年03月09日

うちゅうのせつり

<宇宙の摂理> 詩 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

 いくつかの蜜柑の皮を
 湯舟に入れて
 しばらくすると
 必ず
 彼女たちは寄り添う
 やっと思い切ったの
 少し恥ずかしげに
 ジュジュッと
 音立てながら
 寂しさを紛らす為ではない
 粉砕を受け入れ
 自ら中和する
 不思議の力に
 委ねられるべく
 蜜柑同士という
 縁に引っ張られるのだ
 静寂に浮上する
 一つの源

 細胞の粒子一つ一つに
 羅針盤張り巡らせ
 蜜柑が蜜柑たる波長は
 太陽をたっぷり浴びた
 甘酸い緑の旋律
 魂の内襞に
 哀愁を深く刻み
 傷の磁場まるごと癒す
 そう言えば
 縁と緑の漢字は
 なぜかしら似ている

 何故おれんじ色に
 覆われた内皮は
 白いのか
 掌に乗せてみると
 微笑のような答え
 ほろり
 宇宙の摂理をふと思う

 分散し過ぎ
 増やし過ぎ
 殺し合う人間は
 何をどこでどう違えたのだろう  


Posted by nakao at 17:46Comments(0)芸術