2011年01月11日

馬酔木

<馬酔木>  記 中尾彰秀        詩人・ピアニスト・ヒーラー

     あなたの人生を至福にする百の詩集(94)

     「短詩抄」  永井ますみ詩集 出版2009年 山の街企画 
                        52篇 61ページ 1000円

  このたおやかな日常。
  見事と言わざるを得ぬ
  このたおやかな通俗、大衆、演歌。
  このたおやかさは
  日々の思い入れの深さから
  大自然を介して
  知らぬ間にわが胸の内に

  人間の風情に共鳴して
  カラコロ カラコロ
  馬酔木かな。

  そう言えば
  我が近所に秋葉山、愛宕山があって
  その北側すぐに
  「馬酔木」と言う
  いかにも静かな喫茶がある
  散歩がてら覗く程度で
  まだ入った事はないが。

         「馬酔木」

<樹と樹の間に かくれるように 生きている
 ゆすると 耳元で からころ音がして なつかしい白いちょうちん

 花を背負って帰る 山道のでこぼこ 肩口から匂う馬酔木の
 白いちょうちん 灯りをともして 風がいくよ

 はじめて出会って あなたの名前を知って 容れられない社会や
 世間を知って 私も まるいちょうちんに成っていくのか

 花を背負って帰る 暮れていく野を惜しみながら 
 いずれ帰る世の果ての 団欒を見たいと思う
 わずかな花を あかりにして>

    


Posted by nakao at 17:42Comments(0)芸術