2011年11月04日

X地点

<X地点> 記 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

 「NUDE TAO HOUSE」 中尾彰秀詩集 森羅通信の会 定価2000円
                   1992年 A5版 白い表紙 25篇 89ページ

            「X(エックス)地点」

<道歩くお嬢さんのセーター 綻びて綻びて 私は転んでつい覗いてしまう
 毛糸の先の先の奥の風景 響きならぬ響きは無色の血を 透過し思わず
 標高高まる X地点に至って

 内耳の妙なる震えは 大事に取って置いてください 内耳のさらに奥の
 何やらのために 七色の滝壺の浮上は 様々の力をもたらしはしますが
 カルマと心得て自惚れずに 率直に生きてください 時たま強い風が吹
 いて 毛糸は琴の様に 鳴きますね そうそう疲れ切った果て 急に軽
 やかになって 身体の節々が 野鳥の囀りを持つのに 全く似ている
 寂しさの出所が 赤ちょうちんになって 点滅しているから 経絡より少し
 ずらして 季節の夕日に交じり 綻びていますね 私はこの丸出しの地平
 線に 18年前にインドで出会った 少女の長い髪を重ねて 思い出してい
 ます 

 既にひかりすらも 綻び始めたそこから先は 抒情も変質し 糞は稲光って
 いるのです 稲光りを拾う手は 手そのものが X地点なのです>

       まじめなシュール
       若さのシュール
       懐かしいシュール
       イマジネーションシュール

       抒情を超えてシュールあり
       シュール超えて
       波動あり
       ごく普通にココにありながら
       あらゆる存在の静けさ担うことが
       ここにある遥かの意味
       波動の意味

       やたら言葉を走らせる
       かようなシュール詩は
       モウモウ牛さん書きません

(購入法) 郵便振替 森羅通信の会 00940-4-29604
               定価2000円+送料200円  


Posted by nakao at 18:14Comments(0)芸術