2011年08月09日

梅園

<梅園> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(19)

 「梅園」  門林岩雄詩集 土曜美術社 2010年 定価2100円
                 A5版 94篇 117ページ

         「両手」

<はなれると さびしい むすびあうと くるしい>

         「病室の朝」

<風がおいていったのは さやわかな山の冷気>

         「いのち」

<店先に積まれた土嚢 その破れから 草がすっくと立っている>

         「石段」

<嘆く石 苦りきる石 笑う石 それぞれの面 寺の段>

         「冬の夕映え」

<おさなごよ おまえのかいた 妖精が いたるところに とびちって
 おどっているよ ほらごらん>

       何にもなくて
       何でもある人生。
       平凡の中身は
       実は非凡。
       当たり前が
       実は奇跡。
       自らを励ます詩は
       誰をも励ます。
       気付いてみれば
       夕焼け
       コップ一杯。  


Posted by nakao at 18:17Comments(0)芸術