2013年05月19日

COALSACK75

<COALSACK75> 記 中尾彰秀                 詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(16)

 「COALSACK75号」 出版コールサック社 2013年 1000円+税

   ゲーリースナイダーに関する評に注目。禅の思想が
   いかに詩として展開されているか。日常の普通に奥
   深さを見出す手法。
   中心の掘り下げができていないから、言葉がやたら
   溢れている世の詩人。ゲーリースナイダー以外に詩
   人なしと言った友人の気持ちは解る。しかしかくなる
   ちゃんとしたものを持つ詩人は世には出ない。時代
   遅れの詩閥が時代遅れの賞など作り時代遅れの出
   版社を儲けさせているから。

   いかな社会現象があろうとも、いまここ遥かな自らの
   奥域、宇宙一体波動、とてつもなく静やかな無限に目
   覚めるべし。生きることの意味。死ぬことの意味。あら
   ゆる存在の意味。

       「静かな水」    浅山泰美

  <静かな午後 ピアノを弾きにきてと 小さな声が聞こえる
   大きな波に攫われて 沖まで流されたピアノだけれど
   音楽があれば ひとはふたたび生きていける 浄められた
   土地で林檎の苗を植える 蒼褪めた唇に 静かな歌が戻り
   失われた明日の方角へ 歩きはじめられる ほら 深い海の
   底では あんなに 貝が呼吸している>  


Posted by nakao at 11:05Comments(0)芸術