2012年05月19日

生命のかげ

<生命のかげ> 記 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(58)

 定本「岩魚」  藤原伸二郎詩集 英訳 W.I.エリオット 西原克政
                          童話屋 2010年 2000円

        「生命のかげ」

<一千年たったら僕のとき色の精神
  は消えてなくなるだろうか。僕が
  生きていた間、
  僕の脳髄に映ったすべての形象も
  にくしみも うらみも 愛も、
  そして、僕ののぞみは時間の永劫
  の輝きのなかで、残照となって生
  きつずけるだろうか
  夕焼の空
  秋が電車の窓からのぞいて行った
  すすきの穂のむらさきいろのてり
  かえし、このあたたかい太陽の沈
  黙、
  はどうなるだろう。すすきの間か
  らちょっとのぞいている、あの娘
  の子の横顔はどうなるだろう
  一千年たってもやっぱりあそこに
  あのままあの娘はいるだろうか>

        右側には英訳あり

        残照が残るかどうかではない
        生きた波動が残る、永遠に
        抒情で人生はかたずけられない
        宇宙一体波動エネルギーの認識
        それこそが
        この詩の答えであり
        人生の答えである
        そもそもあの娘
        長く生きたら娘の横顔
        なんて言ってられないではないか
        若き意念が残るのだ
        しかし詩人は
        白血病によって
        かなり若くして亡くなっている
        それを予期した作品であろうか
        胸キュンの一詩
  


  


Posted by nakao at 22:03Comments(0)芸術