2011年08月14日

思う壺

<思う壺> 詩 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 時代の喧騒を
 カモフラージュすると
 自ずから優しくなる心
 頭は布を巻き

 愛の訪れを
 決して聞き逃さぬため
 耳に大きな銀のピアス

 躍動しヒートする身体を隠す
 黄土色のコート

 450年前に描かれた
 振り返る少女よ
 ひょとしたらその時
 君は何かの病だった

 この絵を描かれた為
 君は一生涯無垢の優しさを
 持たざるを得なかった

 描かれてから君は
 どんな人生を送ったの
 幸せだったかい
 70歳80歳あるいは
 何歳まで生きたの

 君が今ここに
 生きていても決して不思議でない風情は
 全く不思議だ
 生命閉じ込めた絵は
 一台のタイムマシーンならば
 私を連れてゆけ
 450年前へ

 それこそ数百年腐敗せぬ
 具材使う画家の
 思う壺
 壺に哀愁深々と  


Posted by nakao at 15:38Comments(0)芸術