2012年10月12日

待ち合わせ

<待ち合わせ> 詩 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 怒涛にまみれる
 待ち合わせ時間
 屋上に携帯基地局五つある
 スペシャルオープンスペース
 ラリる脳味噌抱き
 大勢多数たむろする
 この一点に
 身を晒しているのだ

 お好み焼き・ケーキセット・タコ焼き
 スパゲッティ・コーヒー
 何一つ選ぶことなく
 私は一つの椅子に座す
 間もなく三つ横の
 瞳の奥に遥かな風景宿す
 孤高の老人は
 魂の充電終えたのか
 スクッと立ち
 杖をくるくる回しながら
 何処へか去った

 少し離れて
 オリンピックの歓声
 平和という上皮言葉が
 過去の天使のごとく飛び交う
 連れ合いが来るまで
 私はひたすら待った
 大勢の単なる一人という胎感に
 表皮は半ば溶解し
 汗は星の光となり
 骨肉はしっかりマグマの熱の疾走
 満ちることの
 スリリングな意味を
 ほっと微風の囁きに重ね
 私は待った  


Posted by nakao at 17:19Comments(0)芸術