2012年03月07日

想像力の天才

<想像力の天才> 記 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(48)

藤井雅人詩集 新日本現代詩文庫96 土曜美術社 1400円+税

 見たまえ、この詩人の想像力の豊かさを
 一読で唖然とし、二読で快感となり
 三読で不安と悲しみに襲われる
 この魂の軸は
 物的な不安と悲しみの実存にとどまる理知
 ちなみに
 作曲は作曲者の魂の無意識のうちの
 宇宙一体エネルギーの降下であることを知らずか
 想像力や構成力は人力であり
 西欧的な理知の箱の中で踊る
 ところが
 癒し波動エネルギーは宇宙一体神がかり
 理知の箱をとうに超えた一点の無限
 両者本質を異するのである

      「ある教会楽長の手紙」

<・・・・・・・・・・・・ガラスの空にはねかえる子供の叫び。
 タンポポの綿毛となって飛びちる女の嬌声。押しつぶされて
 暗がりににじむ男の呻き。透いた銀糸となってゆらぐ老人の歌。
 小さな金属の群れを葉うらに突きたてる蜜蜂の唸り。空と陽に
 見えない橋をわたす鳥の声。力の檻にはむかう波の音。一瞬
 ひとを透かせ、大気の迷路に消える風の音・・・・・・これらすべてが
 転回・反行・拡大・縮小の数理によって成長し、ついに球形の鏡と
 なります。小さな隙間から光を導き、内部に宇宙の総体を映しだす
 のです。喜悦の頂きから悲哀の淵まで・・・・・・・・・・・・>
   


Posted by nakao at 17:16Comments(0)芸術