2011年11月25日
「知井」13号
<詩誌「知井」13号> 記 中尾彰秀 詩人・ピアニスト・ヒーラー
知井 13号 平成23年
発行 名古きよえ
名古きよえなる詩人の
魂のクリアさを思う。
京都は鞍馬のさらに奥北
美山町の知井は
さらに過疎化が進む
詩人の故郷なのであるが
言葉遊びを廃し
単なる自然回帰運動とは
一線ひかれた
大自然を慈しむ心意気がひかる。
「馬」
<あの馬はときどき私の傍へやって来る
材木を引いていた無言の労働馬よ
幼児の私と小学生の姉が
空の荷台に乗せてもらうと
いそいそと坂道を登って行った
あの馬が消えてから久しい
この世は深く あの世は広いのか
駆けてきて来て夢にあらわれる栗毛よ
私の傍で暖かい身体を摺り寄せる
何もなくても穏やかな あの頃のように>
この世とあの世は深く広いに
せよ、ひっついていることには
間違いなかろう。それが故、夢
においては自由に行き来してい
るのだ。思い出は単に、取り残し
を取るのではなく、奥ではひっつ
いているのだよと教えてくれてい
るのだ。
哀愁は、宝石が輝くがごとき心の
宝である。存在と言うこの宇宙の
一つ一つの奇跡を、感謝をこめて
実感する時、迸るもの。
馬馬、それを忘れてはならない。
知井 13号 平成23年
発行 名古きよえ
名古きよえなる詩人の
魂のクリアさを思う。
京都は鞍馬のさらに奥北
美山町の知井は
さらに過疎化が進む
詩人の故郷なのであるが
言葉遊びを廃し
単なる自然回帰運動とは
一線ひかれた
大自然を慈しむ心意気がひかる。
「馬」
<あの馬はときどき私の傍へやって来る
材木を引いていた無言の労働馬よ
幼児の私と小学生の姉が
空の荷台に乗せてもらうと
いそいそと坂道を登って行った
あの馬が消えてから久しい
この世は深く あの世は広いのか
駆けてきて来て夢にあらわれる栗毛よ
私の傍で暖かい身体を摺り寄せる
何もなくても穏やかな あの頃のように>
この世とあの世は深く広いに
せよ、ひっついていることには
間違いなかろう。それが故、夢
においては自由に行き来してい
るのだ。思い出は単に、取り残し
を取るのではなく、奥ではひっつ
いているのだよと教えてくれてい
るのだ。
哀愁は、宝石が輝くがごとき心の
宝である。存在と言うこの宇宙の
一つ一つの奇跡を、感謝をこめて
実感する時、迸るもの。
馬馬、それを忘れてはならない。