2010年08月15日

命なきものの

<命なきものの>   記 中尾彰秀

  あなたの人生を至福にする百の詩集(63)

  白濱一羊句集  「喝采」  ふらんす堂  2400円+税 2007年出版

      命なきものの軽さを蟻が曳く

      歓声も罵声も馬券舞う師走

      新札で切りし指吸う年の暮

      朝の陽にあばかれている蛍の死

      初雪や天才はみな夭折す

      白鳥に重き内臓ありにけり

      黒板に似顔絵残し卒業す

  飛躍と常識の狭間には、どんな真実があるのだろう。
 人間同士の触れ合いや、大自然のパワーや、日常の
 重さ軽さ深さ。そのいずれをも、歌い飛ばす句の面白さ。

  願わくは、若き俳人・詩人の増える事。音楽家は、黙っ
 ていても多い。いやいや、人の曲を写すばかりでなく、自
 分の曲・詩句を持つ為には、しっかりと詩句を読みましょう。  


Posted by nakao at 17:55Comments(0)芸術