2012年12月13日

時代を超えて

<時代を超えて> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 <学校の往復など いつもこの松の巨木の下を通った 少年が生まれる数百年前から
  立っている 老樹には梟が棲みついており 見上げる隙間から 像のない遠い青空が
  見えた 

  松籟が絶えずゴウゴウと 少年を揺さぶって激励し またある時はやさしく囁いた 
  その音に少年は身震いして背を伸ばした 

  山間の村にあった家は いまはないが この一本の老樹のオーラは 少年を衝動した
  この木の根元で 間もなく予科練に入隊するという 中学生が峠を越えての帰途
  ハーモニカを吹いて休んでいた

  いまは伐り倒されて 老樹の姿はない あの中学生は特攻で戦死 一体の地蔵が
  佇っていて 風だけが通り過ぎていた>

     佐藤勝太詩集 「峠の晩霞」 竹林館 定価2000円+税 詩篇「村の一本松」より

           おお、人類よ、物的暮らしに埋没しては
           魂が心が腐るよ。しっかりとヒーリングの
           勉強しましょうね。
           老樹のごとく時代を超えてあるものが、我
           々人間にもある。樹だけにあるのではない。
           戦争中にも決して人を殺さず、アカン垂れの
           振りした偉い人がわんさといるではないか。
           なおさらにそれは、人間の内にある平和の
           風・神なのだ。
           2012年11月18日第438回「詩を朗読する詩人の会”風”」
           ゲストは佐藤勝太さん。  


Posted by nakao at 16:23Comments(0)芸術