2012年11月09日

石からの手紙

<石からの手紙> 記 中尾彰秀            詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(86)

 「想い--------米寿の願い」 神田好能詩集 竹林館 2012年 B6版 344頁 定価1800円+税

   並列の美は
   平和なる魂を掘り下げる
   そこにあるのは
   自らの命を慈しむ
   様々の生き物人間も動物も等しく
   並列する
   等しく並列するのが
   大自然の真相なのだ
   大臣医者学者庶民と
   インドの今でもある
   ヒンズー社会じゃあるまいし
   肩書出身で順番などない
   かくなる詩人の
   自作絵表紙は
   野原で並列する

   詩人の平和及び平等主義が
   如実にあらわれているのである

   なお、「石からのレター・メロディ」という
   絵と詩が双方ともモンゴルのモンゴル
   美術館に飾られているとのこと。

        「石からのレター・メロディ」

<何年か前 一億年も前のことかもしれない 地球が出来て冷えてゆく頃のこと
 かもしれない 

 その白い石を見たとき そんな雄大なロマンを見たような気がして 何時か描いて
 見たいと夢を持った 温めていた夢をキャンパスに乗せたとき 胸がときめいた

 石だと思って描いているわたしに 石が耳打ちをする 「ここにこうしていられるのも
 平和だから」 話し掛けてきた白い石の穢れのない声 

 ああ  ああ そうなんだ ここに原子爆弾が飛んできたら この美しい 水で 雨で
 磨いてきた石も 一瞬にして 吹っ飛んでしまう 

 自然に出来た石たち 美しい木 樹木 花たち 小鳥のさえずりも 吹っ飛んでしまう

 石はわたしにささやく 音楽も文化も平和がいいとささやく 鉄砲や爆弾は物も 心も
 破壊する 泣き叫ぶ子供らの声を聞くのは悲しい いま石は 叫んでいる キャンパス
 の前でわたしも一緒に叫んだ 平和がいいと叫んだ     2008年>


  


Posted by nakao at 15:59Comments(0)芸術