2013年01月07日

大鷹の空や

<大鷹の空や> 詩評 中尾彰秀                 詩人・ピアニスト・ヒーラー

 みんなの人生を至福にする百の詩集(95)

 「記憶」 宇多喜代子句集 角川学芸出版 2011年 1500円+税

      肋骨の折れた音かな冬日中

      百歳の話にまたも山桜

      水平に置かるる棺と寒の水

      大鷹の空や一期の礼をなす

      石人の眉間をひらく山桜

   ・本当にそんな音がする冬の樹。自らのごとく思いつつ。
   ・桜を愛しているし、憧れてもいる。桜という大自然の力。なお美しく。
   ・水平の意味。永遠に行くという意味。逝くなどと道の途中で折れてはならぬ。
   ・鷹は言うまでもなく、人間を見ている。動物同士の挨拶は実はあるのである。
   ・石人とは原始人。原始人すら眉間の第三の目を開いて超能力を得る山桜なのだ。

  存在の奥域にキリりと遊ぶをこれイキという。見事な句いや詩。自意識のごろごろに
  言葉を浪費する詩人は大いに反省せよ!!  


Posted by nakao at 21:17Comments(0)芸術