2011年03月03日

サラン一重

<サラン一重> 詩 中尾彰秀           詩人・ピアニスト・ヒーラー

  どちらが表なのか裏なのか
  わずかに露の付いてる方が内側って
  嘘か本当か
  何かに使用され
  机上で眠る一枚のサランラップ
  君を通して外界を見ると
  裏も表も全く同じ
  存在の奥域の静けさは
  全き静けさを
  重力に委ね
  青みがかった宇宙のエキス
  ここにありと
  ヒレをなびかせ囁く

  実は私は
  ひとつの秘密の確信を持っている
  この世もあの世も
  サラン一重
  スケスケで引っ付いているという確信
  肉体は消滅するにせよ
  
  ゆえにこの世を
  歓喜で満たすのである  


Posted by nakao at 17:45Comments(0)芸術