2014年05月07日

瑞木よう詩集

<瑞木よう詩集> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(79)

 「夢見の杖」  瑞木よう詩集 EPOC出版会 2000年 定価2000円 A5版 47篇 105頁

      3度めくると3度ともこのページとなった
      「夢見の杖」 22ページ
      成程このページをこの作を評せよ
      ということか。
      そもそも
      この詩人は
      夢で大地震を予知したのだから
      それに対抗して。

      あの日の早朝
      既に明るい時
      内海を隔てて
      和歌山にもそれは来た
      震度5弱
      一大事だとばかり
      その日は3時間ほど
      休みを取ってから出勤した
      その時点でやっとわかった
      震源地の神戸は
      すさまじいことになっていると。

      「夢見の杖」

<冬の夜 羽毛に抱かれて 眠っていると
 一本の杖が 大地を突き割る 夢を見た

 杖で 穿たれた大地は 大音響とともに壊れ 割れた地面からは
 グリム童話の挿絵で見たような 小悪魔が出てきて
 先が尖って空を向いている ブーツで
 気味の悪い どこか調子のずれたステップで 踊り狂い
 奇妙に捩じ曲がった姿態で円を描きながら 大地の上を跳んで行く
 悪魔の踏んだ土からは いびつな形の炎の子供が つぎつぎと
 地上に踊り出ては 四方八方に飛び散り 増えていった

 冬の夜に見た 奇妙な夢    ・・・・・・

 火の国の名残とともに眠った未明 それは来た
 恐ろしい地響きとともに>

      一つ不思議なことがある。
      詩はオリジナルであるのに、音楽は
      既に昔作曲された借りものであることに。
      私はそれをコピーと言うので
      クラシック愛好の先生にも生徒にも
      煙たがられ、大層な嫌がらせを受けている。
      本物はどこにあるのか。
      本物は言うまでもなく、譜面からでなく
      直接天からの、天降りの即興演奏である。
      その真実を認めない限り
      かつての巨匠の天降った音楽を
      理解できないのだ。
      そしてむしろ、クラシック愛好家の作る
      オリジナルの詩は素晴らしい本物である。



Posted by nakao at 15:34│Comments(0)
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