2014年05月11日

田川紀久雄詩集

<田川紀久雄詩集> 記 中尾彰秀             詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(80)

 「聲を求めて-----詩語り論-----」 田川紀久雄詩集 鹿林書房 2014年 定価2000円 A5版 19篇 88頁

       なるほどとうなずかされる詩群。
       それは新しい文体や微妙な創造的詩や強烈な世界観ではない。
       発せられるであろう肉発的な言葉だ。
       知的分析によって実存の孤独を彷徨うのでなく
       直接的に神秘をも内に取り込む感性。
       大まかな表現は却って、効を奏している。
       そもそも詩はみーちゃんはーちゃん大好き綺麗事であってはならない。
       生々しい単純な深さを世の書き言葉詩は忘れている。
       世の詩賞も腐敗の一本道まっしぐら。

       「聲のいのちに」

<聲はテキストによって支えられている テキストは聲によって活かされる 聲の中には神様が
 宿っている 神様の言うことを率直に聴かなくてはいけない まず身体を清めてからテキストに
 一礼をする 言葉にも命が宿っている 私が求めてきた詩語りとは何であったのか 聴き手に
 新たな生命を与えることではなかったのでは 祈りの儀式のようなもの つねにいのちそのも
 のを感じさせたい いのちとの交信が詩語りでもある ・・・・・・

 言葉の奥に秘められている本当の言葉を求めて 聲が発せられる それはいのちのひかりで
 もある 本当の幸福が もしかしたらこの聲のいのちにあるのかもしれない 書かれた言葉の
 中ではなく 視えない言葉に向かって 命懸けで求めることによってしか 手に入れることの
 出来ない世界 きっと語りの聲の中に秘められている・・・・・>



Posted by nakao at 15:56│Comments(0)
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