2014年06月09日

津坂治男新詩集

<津坂治男新詩集> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 世界を至福にする百の詩集(87)

 「従容」 津坂治男詩集 土曜美術社 2014年 定価1700円+税 A5版 48頁 25篇

       戦争を体験した世帯は
       現代の食溢れる環境を贅沢と思う様だ。
       しかし、都会に住み基本的な知識のある若い世帯は
       ほとんど埋め尽くされた輸入食品の劣悪さに驚き
       閉口している。例えば遺伝子操作された食品。
       小麦粉などにせよ明らかに発がん性があり、
       もしも選ぶことができれば誰も選ばないしろもの。
       正確に言えば、遺伝子操作された食品を輸入禁止した
       ヨーロッパの某国は、そのとたん、癌患者が減ってしまった。
       これは明らかに、明らかなこと。
       
       要するに、現代は食の量は多いものの、質があかんということ。
       TPPでますます危険になるのだ。   
       大地震は老若男女一切合財に影響を与えるが。
       そして、自然を愛することに基ずいた平和心も
       祈りとして継続する我々である。

       「ハルコガネバナ」

<枯れ枝のような茶色い腕から グーと突き出したこぶし いくつも 垣根の赤いサザンカの
 の火種を じっと受け止め ふくらいでいく窓辺の山菜萸

 2月の末から3月にかけ 黄色い花がびっしり開く 黄金の陸奥とうたわれた 地震・津波から
 年掛けて立ち上がった 町町や海辺にこの匂いとどけと

 ・・・・・・・・・・海にかくれて実った 数えきれない思いの様に・・・・・

 僕の生まれた家と隣の子との境に 毎年実っていたグミの実は 
 空からの憎い火に焼かれたが 今は祈りとして心に灯る・・・>
       



Posted by nakao at 16:51│Comments(0)
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