2014年09月16日

金子似左生詩集

<金子以左生詩集> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 地球を至福にする百の詩集(13)

 「鳥の形」 金子以左生詩集 2014年 しもつけの心出版 1200円+税 A5版 20篇 118頁

       その味を深いと思ってはいけません。
       深きに至らぬ分裂したままの心で
       是が非でも詩の形を取る言葉達は
       泣きに泣いている。
       もだえ、わめき、もがき、くるい、ひねり、ねたみ、うらみ、ひねくれ
       うつになり、ねじりねじられ、さかだち、はぎしり、ころす、ころされ・・・・
       その泣き声、まさに鳥。
       人間に内在する鳥。
       超越ならぬどろどろの自意識の鳥。

       「漂鳥」

<山うすねむる

 徐々に下に 徐々に下へ 貧血はじめ

 漂泊する血 幻滅きざす山稜捨て 夢想の重みにいざなわれ平野へ
  (そこを楽土と指さすものがいて) 小さく渡る

 目指す地上は アルカデイアではないと知ってはいるが 移りつずけ
 さ迷いつずけ

 不在へ 傾きのまま 求め 飛ぶ>

 



Posted by nakao at 17:44│Comments(0)
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