2015年01月18日

なんばみちこ詩集

<なんばみちこ詩集> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 地球を至福にする百の詩集(22)

 「兆し」 なんばみちこ詩集 2014年 土曜美術社 2300円+税 A5版 112頁 22篇

       まだ具体化せぬ
       具体だらけで切りのない
       あり掛けてあり掛ける夢

       兆し 哀愁 心の水
       現代語で言うと 魂の波調

       「心の水」

<水に映った影は流れてしまって 残らないのに 心の水に映った影は
 洗われ 晒され 現われ いっそう深く 透かされて もう 私から離れない

 体は枯れて 水気が失せても 心の水はいつでも満ちる きのうの出来事
 のように 笑って眺めた二羽の白鳥 白鳥なのに茶色だなんて 若い白鳥
 とも知らなかった そんな たわいないことも

 並べて流した草の葉の しばらくもつれて一枚だけが 先に急いで行ってしまった
 遠い川 菜の花に埋もれていた川岸に 今も小鳥が群れていて ルルッチ ルル
 ルル ふくみ声 懸命に 訴えているのだろうか

 水は流れてとどまらないのに 心の水は溢れるばかり 逆さに流れて泡立つばかり>



Posted by nakao at 11:16│Comments(0)
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