2015年04月06日

はだしの街

<はだしの街> 記 中尾彰秀               詩人・ピアニスト・ヒーラー

 地球を至福にする百の詩集(34)

 詩誌「はだしの街」 40号 2010年 発行人・田中国男 定価500円

       「畦道」    田中国男

<この畦道には ふたりの今日と明日があった ふたりの無邪気な 四季があったのだ
 
 この畦道には ふたりのひもじさを 追いこすほどのよろこびが かぎりなく遠くまで
 ひろがっていたのだ

 この畦道には おもいきりふたりの胸をひらく 約束がずっとこの先まで 
 公平につずいていたのだ

 だが ただ海をみるように 黙って死を急いだ きみ

 あれから この畦道には ばらばらに流れてゆく歳月だけだから またしてもきみに
 合図をかわさずにはおられない 

 きみよ 公平に思い出す畦道は もんここにはないのだと くるしくきみのいのちの影と
 雑草にかくれて この野を歩いていくしかないぼくの 時代に生きるさびしい決意だけだと
 ああ それだけが  たしかにつずく

 わかれて わかれて この畦道はどこまでもつずいていくのなら きみよ せめて公平に
 畦道の笛を 天上から大きく吹きならし 未来の平安を合図しつずけてくれよ>

         この詩は、磯山美術館研成ホールにて
         詩人本人の朗読と渡辺清堂による尺八奏
         セッションが行われたとのこと。
         すばらしい!!



Posted by nakao at 16:21│Comments(0)
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