2015年05月18日

市原礼子詩篇

<市原礼子詩篇> 記 中尾彰秀              詩人・ピアニスト・ヒーラー

 地球を至福にする100の詩集(45)

 「RIVIERE140」 2015年 発行 横田英子 500円

     シュールとは 
     人間の内なる大自然
     人間の理知では
     表現も把握も出来ないので
     往々にして
     ゴチャッとシュールになる

     しかし
     初めから終わりまで
     シュール表現になると
     読まれない

     ゆえに
     少しのシュール部分を設定し
     全体はきちっと構築する
     そのうまさを感じさせる一作である  
     さらにシュールに入り
     さらに構築することは
     可能であるが

     「千里の森」  市原礼子

     <森のまわりを取り囲むゆきやなぎが 
      ほそながい舌のような枝を伸ばし
      ちろちろと風をなめる 春が来ているのだ
      吸い込まれるように 森の中に入っていく人たち
      春の森の饗宴が静かにはじまる

      ふと足元を見ると カナダ館跡のプレート 45年前の夏
      私はこの場所にいた 世界各地の館と 世界中からやってきた
      人たちで 埋めつくされた暑い夏 歩き疲れて広場の階段に
      すわりこみ 沈んでいく黒い太陽を 大勢の人と一緒に見た
      焼けついた季節のワンシーン

      今まさに桜の森の奥に 生い茂る木立の蔭に 森の命の気配が
      隠れている 耳鳴りのような音がする 饗宴はあれからも ひとし
      れずひそかに 続いていたのかもしれない そうにちがいない

      千里の森は 夏に向って ますます緑を濃くしていく>



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