2009年07月17日
気踏歌
<<< 気踏歌 >>> 中尾彰秀詩集 竹林館 2300円
1994年出版、詩界の救世主。A5版、28篇、103ページ。表紙帯にはこう書かれ
ている。「沸騰するエネルギーは、根の国のスサノオノミコト。噴出する角度は大地
を、宇宙を目指す、あの南方熊楠。想像力の巨大さはフランス・ルネサンスの作家、
フランソワ・ラブレー。見よ、この人を。聞け、この詩人の多元的な言葉の宇宙のかな
たにとどろかす響きを。巨大にして猥雑、猥雑にして陽光を浴びた詩の数々。過去を
、現在を、未来を射抜く詩人の言葉、詩人の啓示、詩人のささやき。」
さて、2作を引用。
<静かに水が(1)>
「どんな奥底の 心の内襞にも 流れる水だから 湖一面の水にせよ どんな風景をも
さりげなく 写すのだろう 時に人間の自然破壊を糾弾するかのごとく 湖丸ごと枯渇し
筋肉質の土壌と大蛇の木根見せつけたり 美しき田舎にひかり輝く雨降らせたり 水
たる水ひとしきがゆえのゆえ 我が内なる水は既に 心臓打ち破り 押し寄せ ごら
ん 無用物は一つたりとも残っていない 津波の後の静けさ 古代より 延々と待って
いたに違いない 物どもの背後の深い静けさ が 共鳴しあい いのちの出番は 今
だとばかり やけに 水は静かだ」
<凧上げ>
「手繰り寄せると 手繰り寄ったのは 自分であった 凧など はじめからなかった
時折りかわいげにひかる糸が 私の身体の中心から えんえんと伸びていた」
なお、内なる精神のやさしさ、静けさ、崇高さ。かくなる魂の豊饒が、人間の人間た
るすばらしさであろうか。
<気踏歌> 中尾彰秀第9詩集
(購入法) 郵便振替 森羅通信の会 00940-4-29604 定価2300円+送料200円
全国の郵便局で待ってます!
1994年出版、詩界の救世主。A5版、28篇、103ページ。表紙帯にはこう書かれ
ている。「沸騰するエネルギーは、根の国のスサノオノミコト。噴出する角度は大地
を、宇宙を目指す、あの南方熊楠。想像力の巨大さはフランス・ルネサンスの作家、
フランソワ・ラブレー。見よ、この人を。聞け、この詩人の多元的な言葉の宇宙のかな
たにとどろかす響きを。巨大にして猥雑、猥雑にして陽光を浴びた詩の数々。過去を
、現在を、未来を射抜く詩人の言葉、詩人の啓示、詩人のささやき。」
さて、2作を引用。
<静かに水が(1)>
「どんな奥底の 心の内襞にも 流れる水だから 湖一面の水にせよ どんな風景をも
さりげなく 写すのだろう 時に人間の自然破壊を糾弾するかのごとく 湖丸ごと枯渇し
筋肉質の土壌と大蛇の木根見せつけたり 美しき田舎にひかり輝く雨降らせたり 水
たる水ひとしきがゆえのゆえ 我が内なる水は既に 心臓打ち破り 押し寄せ ごら
ん 無用物は一つたりとも残っていない 津波の後の静けさ 古代より 延々と待って
いたに違いない 物どもの背後の深い静けさ が 共鳴しあい いのちの出番は 今
だとばかり やけに 水は静かだ」
<凧上げ>
「手繰り寄せると 手繰り寄ったのは 自分であった 凧など はじめからなかった
時折りかわいげにひかる糸が 私の身体の中心から えんえんと伸びていた」
なお、内なる精神のやさしさ、静けさ、崇高さ。かくなる魂の豊饒が、人間の人間た
るすばらしさであろうか。
<気踏歌> 中尾彰秀第9詩集
(購入法) 郵便振替 森羅通信の会 00940-4-29604 定価2300円+送料200円
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Posted by nakao at 14:22│Comments(0)
│芸術